西部支部道場日記プラス

鳥取県西部の将棋情報を気ままに発信します

2022年 西部名人戦⑦ 第一局

⑥図以下
▲7五歩 △6三銀 ▲6四歩 △同 銀  ▲6六歩 △6五歩
▲9八香 △6六歩 ▲同 銀 △6五歩  ▲5七銀 △7七角成
▲同 桂 △2七金 ▲5三角成 △同銀上  ▲2五桂 △3七金
▲1八飛 △4七金

▲7五歩に△6五銀ならば▲6六歩△7六銀▲同金上で
次に▲6二銀△6三金▲7三銀成△同金▲6二角成△8三飛▲4六桂のような手順で
攻め込む狙いがだったが、▲同金上の局面は後手番なわけで難しいと思っていた。
本譜の△6三銀はあまり読んでおらず、その後の▲9八香は失着だった。
△7七角成では△8五歩を気にしており、そのための▲9八香だったが
受けになっていなかった。△8五歩▲同歩△同桂▲8六金△9七桂成
▲8五歩△8八成桂くらいで形勢は悪かったようだ。
△7七角成とされた時は読んでいない手だったが直感で良く出来るのではないかと感じていた。

2022年 西部名人戦⑥ 第一局

▲2六角 △5三金 ▲7七金上 △4二銀 ▲7八玉 △2二角
▲7六銀 △7四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩 △7三桂
▲7五歩 △3一玉 ▲3七桂 △6五歩 ▲同 歩 △6四歩
▲7四歩 △同 銀

後手の△5三金△4二銀△2二角は予想出来ない組み立てだった。
その間に先手も陣形整備が出来て不満はなかったが局面は難しく
図の局面は後手からしっかりと攻めの形を作られた。
まだ中盤の様相だが、手数は既に80手。持ち時間は少なくなり、30秒将棋も見えてきた。
受け間違えると一気にやられる可能性がありスリル満点であった。

2022年 西部名人戦⑤ 第一局

▲2六角 △7六歩 ▲4五歩 △5三銀 ▲4四歩 △同銀直
▲4八飛 △4三歩 ▲3七角 △6四歩 ▲4五歩 △3三銀
▲7六銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七銀 △8四飛
▲8六歩 △6二銀 ▲6七金右 △6三銀

▲4五歩が突けたのは嬉しかった。攻めの争点が出来れば得意の展開になる。
△7六歩 では△5三角などで簡単には攻めさせてくれないと思っていた。
本譜の展開は後手が銀の動きで手損をしているため先手満足。
これ以上攻めの形を作るのは、まだ難しそうだが稼いだ手数で玉を固めおけば
自然に良くなるだろうとこの辺りはあまり時間を使いすぎないようにだけ注意していた。

2022年 西部名人戦④ 第一局

▲5六歩 △6四銀 ▲6六歩 △4二銀 ▲6七銀 △4四歩
▲5八金 △4三銀 ▲6九玉 △5二金 ▲5七銀 △7四歩
▲3六歩 △3一角 ▲5九角 △3四歩 ▲4六歩 △7五歩

後手は攻めのタイミングを見計らっている。
最近の本池氏は攻めの意識が強くすぐに仕掛けてくる。
本局についても38手目で仕掛けてきたが
対局中はもっと早く仕掛けてくる順を読んでいたので少し意外だった。
とはいえ本池氏の全盛期である高校時代は受けが強いタイプで
受け潰しや反撃が絶妙な棋風であった。
このあとの進行も崩れない指し方を選んできたため、どこか懐かしさを感じていた。
▲5九角は▲2六角や▲3七角を用意している。すぐに△7五歩と仕掛けてくるのは
▲3七角でそうそう潰れない。△3四歩には感心した。
△3三桂があるため▲3七角と指しづらい。形勢判断含め難しい中盤であった。

2022年 西部名人戦③ 第一局

西部名人戦三番勝負は皆生グランドホテル天水で行われた。
鳥取県有数のホテルで何度かお世話になっている。温泉が格別で個人的にお気に入りのホテルだ。対局場からは大山を拝むことができる客室で贅沢な対局場を用意していただいた。
恥ずかしい対局は出来ないと身の引き締まる思いで対局に臨んだ。
振り駒の結果一局目は先手番となる。

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △8五歩
▲7七角 △6二銀 ▲7八金 △4一玉 ▲6八銀 △1四歩
▲4八銀 △5四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5三銀
▲2八飛 △2三歩

近年、本池氏は居飛車力戦形を得意とするようになった。
本局の後手番の指し方は一昔前まで島根流と内輪では呼ばれていた形だ。
後手の主張は先手が飛車先の歩を交換している間に右銀を繰り出し主導権を握ることにある。

2022年 西部名人戦② 三番勝負の二か月前

2022/10/16西部名人戦挑戦者決定大会が行われた。
前名人である林原くんの大学進学に伴い、2022年は名人空位となったため
この大会の上位二名が三番勝負に参加することになった。
過去の実績から本池氏との三番勝負となることは予想の範囲であったため
前哨戦のつもりで本池氏との対局に臨んだ。結果は勝利したが、内容は序盤からうまくいっておらず最終的に自玉が詰み筋に入ったところで相手の持ち時間が切れての勝ちであった。実はこの3か月前にあった2022/07/03のアマ名人戦鳥取県予選決勝で私は本池氏と対局し負けている。その際、独創的な居飛車力戦形から一方的に攻められ形勢を損ねた。この度の対局も同じ形であったため反省を生かし修正したつもりだったが2局続けて作戦負け。これまで社会人になってから本池氏に対して序盤から作戦負けをすることは記憶になかったが、どうやら本池氏は某動画サイトでAIに裏付けされた独走的な序盤研究を学んでいるようだ。(本人談)ただ幸運なことにその後2022/10/30赤旗名人戦鳥取県予選で再戦することができた。
その対局は序盤にさらに修正を加え作戦勝ちとは言えないものの攻め形を作り勝ち切った。そのため基本的にはこの対局をベースに作戦を組み立てるのが自然だが、本池氏の序盤戦術は千差万別で同じ形でも微妙に変化をつけてくるため狙い撃ち出来るものではない。そのため対戦相手と戦うのではなく、自分の実力と戦う日々を過ごし準備をした。

2022年 西部名人戦① 対局者紹介

本日より2022年12月10日に行いました第44期西部名人戦の自戦記を
拙劣な文章ではございますが、投稿いたします。

以下自戦記 
この度の西部名人戦は私(塩見五段)と本池五段との三番勝負となった。

本池氏との初手合いは私が小6か中一の頃だったと思う。富益公民館で開かれていた将棋教室で初めて出会った。
私が1学年先輩だが同じ高校に進学し将棋部で切磋琢磨した仲でもある。
このように書けば聞こえは良いが、高校時代の我々の関係は川底の石のようなものでお互いに削りあって磨かれてきた。
周りからみれば喧嘩しているように思った人もいただろう。実際のところ喧嘩もしていたのだ。
喧嘩するほど仲が良いなどという言葉は当てはまらない。本池氏に負けるようなことはあってはならない。やっていることを真似してもならない。
そのようなことがあってはお墓に入った後も永遠に語り継がれてしまうと思っていた。
当時の私は未熟で、人間誰しもがいずれ大人になるということを知らなかった。
いやもし知っていたならば誤った判断を取るところであった。現在は何事にも例外はあるということを知っている。
そろそろ20年の仲になるため諸々省略するが、小学生時代の友達を今から選ぶことや増やすことは出来ない。
なんだかんだもう20年も将棋を指してくれているのは1人だけ。
この度の対戦相手となってくれたことを含め、僅かに感謝をしているかもしれない。